ツナの薬理研究室

科学、薬学、趣味などをぼやいている生物です。

『 ”ウイルス” ってなに?』って言われたら答えられますか?

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みなさん、「ウイルスってなんなの?」って聴かれたら何て答えます?

 

“インフルエンザウイルス”、”ノロウイルス

最近なら、耳にタコができそうなほど聴いた”新型コロナウイルス


しこたま ”ウイルス” って言葉を聞いてるのに、答えられる人はそう多くありません。

いいんですよそれで。だって…



「学校で教わってないもん!!!」

 

 

でも、iPhoneのFace IDも機能しなくなってしまった今、少しでも敵の情報が知りたい方は多いと思います。

そこで今回は、簡単にウイルスのお話しをするので、

要点だけでも持ち帰ってくださいね!

 

 

"ウイルス" とは何者なのか?

 

先程の「ウイルスってなんなの?」という質問の答えの例としては…

 

 

「細菌の一種だよ!」とか「微生物じゃないかな?」

 

 

と、言ってる人を見かけたことがあります。

 

 

ああ…やっぱりごっちゃになってる…

仕方ないです、自分も詳しくは勉強するまで知りませんでしたもの!


ここで押さえておきたいポイントは

 

 

“微生物” とは『目に見えない小さな生物の総称』です。

『顕微鏡でしか見えない奴ら』くらいの認識でいいです。

 

 

その ”微生物” の1つが 、”ウイルス” であり ”細菌” です。

大事なのは ”ウイルス”≠”細菌” ということです!

 

 

ココが大事!マジテストでるよ!!(何の?)


”お酒” ってひと口にいっても、いろんな種類ありますよね?それと同じです。

 

  

"ウイルス" と "細菌"の違い

 

さぁ、ここからは敵の情報を暴く諜報戦です…

 

 

先ほど ”ウイルス”≠”細菌” と言いました。

では一体何が違うのか?

ウイルスの特徴を結論から言うと…

 

①大きさが300nm以下であること

②偏性寄生性

③設計図は "RNA" か "DNA" のどちらか一方

④構造は "カプシド" / "エンベロープ

 

 

「ハイ出た〜!専門用語!!キショ!!」 

と、言われそうなので、解説してきます(汗)

 

 

 ①大きさが300nm以下であること

 

微生物なので目には見えませんが、もちろんウイルスくん達の世界にも、当然大きさがあるわけです。

 

その大きさが、300nm (ナノメートル) 以下であることが、 "ウイルス" と "細菌"  の違いです。

(まぁ、ミミウイルスとかいう例外もあるんですが…)

 

例を挙げると、

【ウイルス代表】インフルエンザウイルス:80〜120nm

【細菌代表】大腸菌:1000nm〜2000nm

 

めっちゃ大きさ違いますよね?

ウイルスくん、クソ小さいんですよ…

細菌と比べて10~100倍小さいと言われています。

 

そりゃウイルスくんからすると、マスクなんて穴ぽこだらけですよ笑

 

 

 

 

②偏性寄生性

 

5文字の専門用語…

大丈夫!!読み方は「クソザコ」で構いません!(テストでは書くな)

 

みなさんもご存知の通り、我々人間の体は "細胞" でできています。

毎日せっせと "細胞" が "細胞分裂" してくれてるおかげで、今日も生きています。

 

これは細菌も同じです。

細菌は "単細胞生物" と言って1つの細胞でできていますが、立派に細胞の構造を持っていますので、"細胞分裂" することで数を増やしています。

 

つまり細菌は、『自分で自分を増やせる』のです。

 

 

ウイルスは違います!!

ウイルスは "細胞" という構造を持っていません。なので、動物の "細胞" の機能を借りることで自分を増やすのです。

 

つまりウイルスは、『自分で自分を増やせない』のです!

 

 

"誰かの力を借りないと生きていけない"

これを "偏性寄生性" と言います。

 

 

だから「クソザコ」って言ったんです笑

(まぁそれがウイルスくん達の生き残り方なんですけどね)

 

 

ちなみに、『自己複製できる』と言うのが "生物" である条件なので、 "ウイルス" は厳密には生物ではないと言われています。

(だから微生物であるかもどうかも怪しい…)

 

なので、生物と物質の中間的な存在と覚えておいてください。

 

 

 

 

③設計図は "RNA" か "DNA" のどちらか一方

 

みなさん、「設計図ないけど棚作って」って言われたらできますか?

 

 

無理ですよね?どうぶつの森でもDIYすんのに設計図は必須ですよね??

 

 

そう、何かを作る時、必ず設計図が必要です。それは細胞だって同じこと。

だから人間や細菌は "DNA" という自分の設計図を持ってます。

この設計図には、色々な部品の情報があります。あまりにも部品の数が多いので、その中から必要な設計図を "RNA" というものにコピーして使います。

 

つまり、人間や細菌は『"DNA" も "RNA" も持ってる』わけです。

 

 

しかし、ウイルスくんは何がしたいのか、どっちか一方しか持ってません…

この"DNA" か "RNA"の設計図を、寄生した生物の細胞に持ち込み

 

「ちょっとこの設計図を元に私の部品作ってくださいヨォォ!!」

 

と言って、無理矢理作らされるわけです。

 

 

勝手に体に入ってきて、勝手に製造工場にされる…

金くらい払えこのクソ野郎が!!!

 

④構造は "カプシド" / "エンベロープ

"細胞" の中は、まるでお菓子のバラエティパック

トコンドリア、リボソーム、リソソーム、ゴルジ体、核小体…

頭痛くなってきたのでやめますが(笑)、とにかくいろんな機能を持った器官がいっぱい入ってます。

"細胞" は、生物である程度決まった形があります。

 

 

しかし、 "ウイルス" くんは "カプシド" という殻や、 "エンベロープ" という膜に、設計図が包まれただけで出来た存在です。

 

 

悲しい…悲しいなぁ…(ドルマゲス)

部品が少なすぎて、ミトコンドリアくらい分けてあげたくなってきました。

 

 

ただ、 "ウイルス" くんには "決まった形" と言うものがあまりありません

これが超絶厄介で "決まった形" がないからこそ、薬を作るのが困難なのです。これについては、また別記事でやりたいと思います。

 

 

 

 

まとめ

 

と、まぁこんな感じで、簡単に敵の情報がわかったでしょうか?

 

 

『 ”ウイルス” ってなに?』って言われたら、上記の話を自分なりに理解して答えられたら100点だと思いますよl

 

 

では次は、『なぜウイルスは変異して凶悪になるのか?』『なぜウイルスに対しての薬の開発が難しいのか?』なんてお話をノンストップでしたいところですが!!

 

どうやら頭パンク寸前の音が聞こえるので、今日はここまでにしましょう。

(自分が頭パンクしそう)

 

それでは、次の記事でお会いしましょう!

おまけ:YouTube動画

この話はYouTubeでも上げてるので、気になる方は是非見てみてください!

 


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